Evans Motorsport Performance羨望の的となるエンジン製作

重要なポイント

  • EMPはFast Radiusと協力して、シボレー・コルベットC8用の美しいストラットタワーカバーを設計
  • Carbon DLS™プロセスを使用することで、EMPはCNCマシニング加工に比べて部品あたり数千ドルのコストを削減
  • Fast Radiusは、EMP向け製造の全工程を5日間で立ち上げ

 

ノースカロライナ州バーリントンを拠点とするEvans Motorsport Performance(EMP)は、1989年からマスタングとコルベットのカスタムパフォーマンス部品を製造しています。最近EMPは、新型シボレー・コルベットC8用のスペシャルティアフターマーケット部品を設計しました。この部品に対する需要は高かったのですが、複雑なデザインのため製造が難しく、コストもかかりました。CarbonプロダクションパートナーであるFast Radiusの協力を得て、EMPは自動車用の高品質な材料を使って少量生産を可能にするソリューションを見出しました。

 

 

課題:コルベットC8のエンジンフード下での体験向上

エンジンを誇示したいというのは、コルベットC8のオーナーにとってはもっともなことです。しかし、C8のストラットタワーカバー上部に錆びたボルトがあると、エンジンの外観を損ねていました。EMPはボルト用カバーを望む顧客が来訪した際、この問題を解決する機会だと捉えました。

新型コルベットC8のストラットタワーは魅力的でなく、カバーするには複雑です。EMPはカバー部分を3Dスキャン後に手際よく設計し、FDM方式の3Dプリンタで試作品を製作してその顧客を感心させました。EMPは当初、アルミ切削によりカバーを作成しようとしましたが、この複雑な部品は、不可能ではないにしても、製造するには非常に高価で困難を伴うものでした。

また、EMPはカスタムカラーやMag-Rideコルベット用 の改良品(ドリルでの穴あけが必要)を提供したかったのですが、いずれにしてもアルミでは時間とコストがかかります。EMPは、試作用プリンタで最終部品を作ろうとしましたが、すぐに必要な性能が得られないことに気づきました。

そこでEMPはFast Radiusに目を向けたのです。Fast Radiusといくつかの3Dプリント方式と材料を検討した結果、EMPはCarbon Digital Light Synthesis™(DLS™)3DプリントプロセスEPX 82材料を活用することに決めました。Fast Radiusは、EMP向けにストラットタワーにぴったり合う試作品を1個造形し、2社はすぐに生産に移行できたのです。

 

「Carbon DLSプロセスで達成できる複雑さは言うまでもなく、Fast Radiusのカスタマーサービス、スピード、価格には驚かされました。Fast Radiusなしでは、この部品は作れなかったでしょう。」

Travis Evans
共同オーナー、EMP

 

ソリューション:費用対効果の高い少量生産

EMPは当初、アルミ切削によりカバーを作成しようとしましたが、この部品は複雑な形状のため、1セットあたり4,800ドル以上と非常に高価になりそうでした。射出成形であれば、1個あたりのコストは安くなりますが、それはEMPが数万ドルもする金型のコストを相殺できるだけの部品を作ることができる場合に限られます。EMPとFast Radiusは、約1ヶ月半かけて様々な積層造形プロセスを検討してから、Carbon DLSプロセスにたどりつきました。Carbon DLSを使用し、EMPは初期生産が少量でも予算内で高品質な部品を作ることができたのです。

機能材料

ボルトカバーは、車の性能に影響を与えないドレスアップパーツですが、200˚F(93℃)近い耐熱性が必要です。そのため、CNCや射出成形は実行可能な製造の選択肢にはならず、EMPは試作用3Dプリンタで部品を製造しようとしました。しかし、利用可能な材料(PLAとABS)は、エンジンの過酷な条件に耐えられませんでした。いくつかの材料を検討した結果、Fast Radiusは、耐熱性と耐薬品性に優れた、自動車業界で評価の高い硬質材料であるCarbon EPX 82を提案しました。EPX 82は、EMPが求める性能を備えており、アルミよりも仕上げや塗装がはるかに簡単でした。

信頼できる製造プロセス

EMPが設計した部品は非常に複雑であり、CNCマシニング加工では多くの部品が失敗するリスクが高かったのです。しかし、Carbon DLSは完全にデジタル化されているため、安定的に信頼性の高い部品を製造できます。Carbon DLSを使用することで、EMPはFast Radiusが全ての部品を一貫して仕様通りに製造することを確信しました。

迅速なオンデマンド製造

EMPが部品製造に機械マシニング加工を選択していたら、最初の注文への対応には数ヶ月かかっていたでしょう。しかしCarbon DLSプロセスにより、Fast RadiusはEMPの注文を数日で造形、出荷対応することができました。EMPは今もなお市場での新しい部品のニーズを理解しようとしていますが、必要な在庫数を把握するのは難しい状況です。それでも、Fast RadiusのVirtual Warehouseを利用すれば、EMPは部品のデザインデータをクラウド上に保存し、在庫切れや過剰在庫を心配することなく、必要に応じて部品を発注することができるのです。

成果

EMPが製作したストラットタワーカバーは、コルベットC8のオーナーに非常に人気があり、この部品は現在、米国および世界中のEMPのサプライヤーやディストリビューターを通じて販売されています。EMPは今後もFast Radiusとの提携を続け、Carbon DLSプロセスを使った、より多くの部品をカタログに掲載しようとしています。