電気バスメーカーのProterraはCarbonで急速に生産拡大

「Carbonとの3D製造は、少量生産に見られる射出成形金型による制約を取り除きます。Proterraでは、品質と経済性の要求を満たしている場合、3D製造部品を車両に活用するのに障壁はありません。Carbonの技術は要件以上を満たしています。」

Joshua Stewart
Proterra
カスタマーエンジニアリング部長

 

Proterraは、様々な地域や環境において、バッテリー式駆動による輸送革命の先駆者です。各地の運送業者は、現地の要件を満たす独自の車両構成が必要です。顧客の注文は、車両交換スケジュールに応じて、通常、2台から25台の範囲に収まります。典型的なProterraの車両には約4,000種類の部品があり、それぞれ異なる材料と製造方法が必要です。これらの部品の大部分は射出成形されたプラスチック部品であり、ライフサイクル全体を通して何千もの部品を管理することは膨大な作業です。

Proterraの製品開発チャレンジ

一般的な射出成形(IM)製造方法のコストモデルは、量産品のロットが少ない場合には向きません。一般的な射出成形金型の開発と金型コストは、若干〜ある程度複雑な小型部品は25千〜50千ドル、もっと複雑な大型部品は100〜400千ドルです。例えば、ある顧客が10台のバスしか発注しない場合、顧客独自のある程度複雑な射出成形部品の見積もりコストは、1個あたり5千ドル(= 50千ドル/10)と高くなり、高品質で少量の量産品を要する組織にとって、最も重要な課題の1つとなります。

この課題を解決するために、Proterraは、軽量の硬質ポリウレタン(RPU)素材を用いたCarbonのMシリーズ3Dプリンタで2つの量産品を製造しました。

 

 

最初の部品は、人間工学的に設計された2つの機能を果たすハンドルです。ProterraとCarbonのエンジニアは、Carbonの技術がもたらす設計の自由度を活用して、ハンドルの設計改良を繰り返し、グリップを改善させるためにデジタルテクスチャを追加しました。今ではドアスイッチ用のハンドルと、アクセスパネルを開くための機能ツールという2つの目的に対応しています。自動車業界の会社が、3D製造の実装を通じて、いかに迅速に、部品数および車両重量を削減しつつ、製造スピードを向上できるかを示した革新の一例です。

 

 

次の部品は、CarbonのM2プリンタとRPU樹脂で生産したProterraロゴ付き大型ダッシュボード(カスタマイズ品)です(Figure 2とFigure 3)。(1)大型ダッシュボードと(2)Proterraロゴの2部品で構成されています。ダッシュボードの寸法は、318 mm(L)x 110 mm(W)x 40 mm(H)です。このような大型の複雑な射出成型品の製作には、数ヶ月の樹脂流動および抜き勾配の解析の後に、数ヶ月の金型開発が必要です。Proterraの技術者Trey Underwoodによると、「Carbonダッシュボード部品は、今まで見てきた射出成形品よりも見栄えが良い」との事です。

 

 

射出成型のコストと時間の制約を超えて

Proterraのチームは、少量生産における射出成形のコストと時間の制約に加えて、射出成形のもう一つの重要な限界を克服しました。一般的に、射出成形の金型メーカーと材料サプライヤーは別会社であるため、製造プロセスに一貫した責任がありません。致命的な知識の断絶により、遅延、基準以下のプロセス、欠陥のある最終製品につながる可能性があります。

Carbonは、Digital Light Synthesis™技術を使用して、3D製造ソリューションに必要な材料、3Dプリンタ、ソフトウェアを提供しています。責任が1社に集中しているため、より迅速な設計のやり直し、完全に最適化された製品設計、高品質の量産品をもたらします。

 

まとめ

Carbonの設計自由度、生産スピード、コスト削減は、急速に拡大し、複数の地域にまたがって顧客にサービスを提供するProterraのような革新的な企業を支えています。Proterraは、Carbonの3D製造アプローチを活用し、90〜95%のコスト減を量産品で実現し、(設計のやり直しと出荷時間を含めて)2週間以内にバスに実装しました。射出成形品の場合は3〜5ヶ月かかります。